ある日、インターネットでシロアリ駆除などを全国展開している業者から電話がありました。

徳島県で駆除工事の仕事があるので請け負って欲しいとの依頼でした。

その内容は、「￥4,000/坪で広告しているので、その単価で契約をとってきて工事をして欲しい。更に、工事代金から30％のバックマージンを渡せ。」との事でした。

あきれました。こんな条件で仕事をする業者が存在するのか？信じられませんでした。

￥4,000/坪をm²単価に直すと、￥1,212/m²です。さらに30％のバックマージンを引くと￥848/m²です。

しっかりと正確に施工をすれば大赤字はもちろんの事、薬剤費だけでも費用不足です。
施工スタッフの労務費や燃料費等の経費は、まったく賄えません。

それでも請け負う業者が存在しているそうですが、仙人のように霞を食べて生活している訳では無いでしょうから、何かカラクリがあるのでしょう。

安価な怪しい薬剤を使用しているのか、薬剤の希釈倍数を規定の数倍に薄めているのか、色々と想像はできますが・・・

それでも薬剤メーカーの営業社員からの情報によると年間一億円超の売上をあげているそうです。

低運賃の高速バスの過剰運行による大事故や、安さが売りの焼き肉店での集団食中毒事件など、今も記憶に残るニュースを見た時には、「安い物には裏がある」という事を考えさせられました。

シロアリ被害とは、建物を人に例えると、次々に転移して死に至らしめる癌の様な物です。
私なら怪しいモグリの医者よりも、信頼できるドクターに治療を頼みたいものです。

自らは施工せず、多額のピンハネを行うような商売をして、お客様に申し訳ないという感覚は無いのでしょうか？（お客様と顔を合わす事が無いので感じないか・・・）
正直者が馬鹿をみる世の中ではあって欲しく無いものです。